元素分析装置
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装置概要
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機種 | ⅰ)CHN 分析:ジェイ・サイエンス マイクロコーダー JM10 [ J-SCIENCE MICRO CORDER JM10 ] ⅱ)S 分析: ジェイ・サイエンス マイクロコーダーJM10用硫黄分析ユニット JMSU10 [ J-SCIENCE S CORDER UNIT JMSU10 ] |
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設置場所 | 駿河台校舎2号館 地下1階 209A号室 |
設置年度 | 平成22年度 |
測定精度 | ±0.3%以内(CHN 分析) ±0.5%以内(S 分析) |
標準温度設定 | 燃焼炉;950℃(最高1200℃) 酸化炉;850℃(最高1200℃) 還元炉;550℃(最高 999℃) |
原理と測定対象物
炭化水素構造を基本骨格とする有機物は,完全に燃焼するとH2O,CO2,N2等に分解する.元素分析装置(CHNコーダー)は,試料を完全燃焼・分解し,H2O,CO2,N2 ガス濃度をそれぞれ測定することにより,試料中のC,H,N量を測定するものである.試料はHeとO2の混合ガス中で高温燃焼し,酸化銅と接触して完全に酸化される.また,燃焼時に生じた窒素酸化物は還元銅と接触してN2に還元され,余剰のO2ガスも除去される(図1).H2O,CO2,N2ガスはキャリアーガス(He)と共に直列三対の熱伝導度検出器に導入され,差動熱伝導度方式で検出する。つまり, H2O 吸収管を挟む第一対と第二対の熱伝導度差からH2O濃度を,CO2吸収管を挟む第二対と第三対の熱伝導度差からCO2濃度を,キャリアーガスと第三対の熱伝導度差からN2ガス濃度をそれぞれ測定し,C,H,N量に換算する方法である(図2).なお,CNHコーダーはC,H,N元素を対象とした分析装置で,これら以外のほとんどの元素は吸収炉で吸収される.或いは,酸化物や単体として残留する(非検出).
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図1 燃焼部の構造 | 図2 検出部の構造 |
試料
必要試料量および測定対象元素等は下記の通り.
試料量 | 通常2mg前後 |
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測定元素 | C,H,N,S(Sは充填剤の交換が必要) |
妨害元素 | Zn,Cd,Sc,Y,B,A,Ga,In,Pb,Sn,Ge,Cr,Mo,W, Se,Te,Po,Fe,Ru,Os(燃焼管、充填剤の劣化促進), Li, Na,K,Rb,Cs,Mg,Ca,Ba,P(添加剤が必要), F(C,H 分析値に誤差) |
元素分析測定の実例
品質管理分析
比較的均質な薬品や化学工業製品の場合,微量な試料量で品質管理分析が可能.
燃料分析
ナフサ,灯油,重油,石炭,コークス等の燃焼効率計算のための元素分析.さらに,NMR 分析と併用することにより平均化学構造の推定が可能.
![fig18[1].gif](/application/files/5615/2808/1102/fig181.gif)
土壌,ヘドロの分析
農業関係における土壌中のC,N濃度の分析.下水処理余剰汚泥等有機質固体廃棄物の土壌還元化のための元素分析.
水中の浮遊物質,底質の分析
プランクトン等の海水,陸水中の浮遊物質の分析(濾過残渣).赤潮による汚染,有機物のリサイクルを検討するための底質の分析(乾燥試料).
大気汚染等の公害測定
大気,自動車排ガス,煤煙中の微粒子の測定(捕集微粒子).
無機物の分析
無機物中の結晶水,付着水の分析(炉温変更要).
測定
測定はオペレータが行います.
申し込み
申込書に必要事項を記入し,試料を添えて申し込んで下さい.
申込書の記入
乾燥 | 必ず乾燥方法を記入して下さい. |
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含有元素 | 該当元素を○で囲んで下さい.またその他の元素を含む場合は,特別な措置をとらないと装置を破損させることがありますので,その元素記号を必ず記入して下さい. |
分析項目 | 分析を希望する項目を○で囲んで下さい. |
精製方法 | 結晶水,溶剤などが含まれている場合がありますので必ず記入して下さい. |
形態及び性質 | 試料の保管及び測定条件,取扱器具の選択に必要なので記入して下さい. ① 揮発性について 有 室温で極度に揮発するもの. 無 ほとんど揮発しないもの. ② 粘性について 有 タールのように粘性の高いもの. 無 ほとんど粘性のないもの. |
※ 測定者記入欄には記入しないで下さい.
試料
1. | 試料が大きな結晶や固体の時は,ひとかけらの重さが約2mgになるように細かく砕いて下さい. |
2. | 試料は必ず乾燥して下さい.温度をかけない乾燥の場合は,充分時間をかけて乾燥して下さい. |
3. | 試料管には必ず試料名を書いたラベルを貼って下さい. |
4. | CHN分析:試料は固体だけでなく,半固体状や粘性のあるもの,液体なども分析できますが、吸湿性・揮発性が著しく大きい試料は分析できません. * 試料は1 回の測定につき5mg以上必要です. |
5. | S 分析:吸湿性のある試料,粘性の高いもの,金属及びリンを含む試料は分析できません. * 試料量は1 回の測定につき5mg以上(無機物の場合100mg以下)必要ですので,多めに持参して下さい. |
※CHNとS分析は分析装置が異なり同時に分析することはできません.
CHN分析とS分析を依頼したい場合は,それぞれの分析に必要な量を持参して下さい.