顕微ラマン測定装置

装置概要

raman01[1].gif

機種 顕微ラマン分光測定器
[Renishaw System-1000]
設置場所 駿河台校舎2号館 地下1階 2010号室
性能

分光器
・スペクトル分解能:1 cm-1
・スペクトル領域:100-4000 cm-1
・空間分解能:1 μm
・深さ方向:~2μm

光源 アルゴンレーザー [GLG3103]
・発振波長:514.5 nm
・発振出力:≧ 40 mW

 

 

原理と概要

raman02[1].gifレーザー光(振動数νi)を物質に照射すると,光の散乱が発生する.この散乱光を分光器で観測すると,図のようなスペクトルが得られる.ここにみられる散乱光のスペクトル線の振動数を整理するとνi, νi+ν1, νi+ν2,…のような関係が成立することがわかる.このとき入射光と同じ振動数の光散乱をレイリー散乱, νi±νR(νR>0)を与える光散乱をラマン散乱と呼ぶ.入射ラマン光とラマン散乱光の振動数差±νR をラマンシフトという.

ラマンシフトは物質の化学結合状態によって決まっているため,スペクトルを解析することで物質の同定や分子の結合状態が測定できる.レーザー光を集光し,顕微鏡で観測することで微小な結晶についても測定可能である.

 

 

試料

薄膜およびバルク
試料の高さが1cm を超える場合は試料台に乗らないため,検討の必要あり.

 

 

測定例

raman03[1].gif図2 はDiamond Like Carbon(DLC)を測定した例である.ブロードなスペクトルであるが,測定器にてピーク分離を行うことで試料の結晶状態が判別できる.

 

 

測定

  • 測定はライセンス所有者(ライセンサー)が行って下さい.
  • ライセンサー以外の使用は認めません.
  • 不明な点は顕微ラマン分光測定器の装置担当者にお尋ね下さい.

 

 

申し込み

1. 材料創造研究センターにある月別予約表で確認し,予約(研究室名と利用者名)を記入して下さい.また,キャンセルする場合には,わかりしだい消して下さい.なお,利用予定日に不慮のトラブル等により装置利用ができない場合もあります.
2. 使用時間は1時間を1単位とします.

 

 

使用方法

1. 顕微鏡の対物レンズ保護のため,サンプルサイズは,縦×横×高さ = 50mm×50mm×10mm 以下のものを準備してください.
2. レーザー光源の電源スイッチ用のキーは811 室にあります.
3. レーザー出力を安定させるため,レーザーの電源スイッチを入れた後30 分待ってください.
4. レーザーの出力は20mW 以下で使用してください.
5. 顕微鏡の扱いには注意してください.顕微鏡のシャッターやミラー切り替えを粗末にあつかうと,光軸がずれてしまい,正確な測定ができなくなってしまいます.
6. 測定室利用中は,ライセンサーが責任を持って同室の管理をして下さい.特に,土足での入室、室内の飲食は厳禁です.また,ゴミは廊下のゴミ箱に捨てて下さい.
7. 測定データは,測定者が責任を持って管理して下さい.データ紛失,損失につきましては,装置管理者および分析センターでは一切責任を負いません.
8. 測定終了後は,装置仕様報告書に必要事項を記入の上,当センターに速やかに提出してください.装置使用報告書は当センターにあります.また,材料創造研究センターホームページからダウンロードできます.